どうもです。いつの間にやら大晦日ですね。

去年はサークルのアドベントカレンダーに乗じて書いた「今年出した曲についての語り」記事。
今年はそういったのはまぁないんですが、一年の振り返り&反省として2020年版・今年出した曲についての語り、すなわち2020年・自曲語りと題して同様の記事を書いていきたいと思います。

コロナ禍という絶好の機会の中、果たしてDTMをどれほど頑張れたのか?



(続き)

※「EP」とは、サークルで月1でリリース(配信)しているミニアルバムみたいなもののことです。
何かしらテーマを決めてみんなで曲を書き、それをbandcampというサイトで配信しています。
私みたいな曲だけでなく先輩の超クォリティな曲も含めて無料なのでお暇ならぜひ


1.御年玉奉行(1月EP - 最強の福袋)




「最強の福袋」というパワーのあるEP名通り、テーマは「福袋」。
和風な曲にしよう!ってことで、ヨォ~~だのポンだの突っ込んで書いたハズです。
改めて聞くと全体的に粗い。音が少ない時間が多すぎる。
和楽器の音が安っぽいのはまだ仕方ないとして、全員単音なのは酷い。和声・zeroなので聞き心地が細い。コードやら和音やらが苦手なのがよくわかります。
サビの盛り上がりもびみょい。多分「和風→和楽器系しか入れちゃダメ→何入れていいのかわからん…」ってなってトラック数が減ってるんだと思いますが、そもそもドラムマシンとバチバチのシンセベース鳴らしといて今更何感。
曲の終わり方は今でも結構好き。

ちなみにタイトルについては、なんと自分の中でテーマが福袋→お年玉に脳内変換されていたという事情があります。アホ?

2.Obsolete Rebel (Neo Tsukuba City)



2020年春M3にて頒布したCD「Neo Tsukuba City」に収録された楽曲です。つまりこれはガチのCD。緊張がヤバいですね☆
テーマは「サイバーパンク」ということで、自分の大好きなアートコアにうってつけだということで参加を決意。TX5で書いた「ABSOCUTE」と同じくらい頑張って書きました。

これを機にかの有名なサンプルサービスSpliceに入会。それっぽいドラムループやFX、ワンショットなどを大量にダウンロード。この曲の3割くらいはSpliceです。途中でなんか喋ってるセリフもSplice。
かがくのちからってすげー!

ゴテゴテのアートコアを書くのは入学直後の初々しい「未來録」以来。あの時より良い曲を書く!という思いもあった……多分。
全体的なクォリティは上がってる、ハズ。ドラムの低音がうるさい気がしなくもない。
全体的に未来っぽい空気感を出せたのはすごく好きなところ。ブレイク前の8小節だけちょっと毛色違っちゃってるけどそこまで酷くはない、かな。

サビ(ドロップ)は気合入ってるはずなんですが、改めて聞くとやっぱり音が少ない。
そして個人的に一番気に入らないのが、16小節サビやった後の16小節。もう一回サビ繰り返すんですが音がほとんど変わらない。楽器が増えている感じもしない。
元々メロディも動かないので32小節聞かされると流石に飽きる。せめてパッド足すとか弦足すとかさぁ
ここが丸ごとクロスフェードデモで使われてしまい、退屈な印象を出してしまったのがすごい後悔。
そのあとの2ビートになるところは個人的に大好き。8回目でコードが「バッバッバッ」ってなるところ、付点四分・付点四分・八分にするか四分三連・四分三連・四分三連にするかで20分くらい迷いました。

タイトルなどの小ネタ。
まず当アルバムの宣伝記事がサークルブログの方にもありますので、そこから自分のコメントを引用。

 はじめまして、らばすです。
タイトルの「Obsolete Rebel」は「時代遅れの反逆者」という意味になります。──情報化・機械化が進み、価値観すらも変貌した近未来。それに対し、過去の多様で自由な世界を求め抵抗人々もいる。AIに基づいた判断と集団行動を正義とする世界においては、彼らは「時代遅れの反逆者」である──という設定(?)です。関係ないです。
曲としてはサイバーでクールなアートコアになっています。楽しんでいただけると幸いです。

だそうです(他人事)脱字はご愛嬌。
曲中のセリフは上述した通りsplice産なので深い意味は無いです。なんか中央回路に侵入してるようなイメージはあります。
イントロ・ブレイク・アウトロでピーピー言ってる不規則なノイズ音は、実はモールス信号になってます。(このギミックはSilentroomさんの「Nhelv」リスペクト)
自分語りの機会なので文面をばらすと「DONT FORGET PAST HALCYON DAYS」。「かつての古き良き時代を忘れるな」、程度の意味です。懐古厨か何か?

以上読めばわかる通り、中二心全開でやりました。アートコアなんて中二病感があってなんぼなんですよ!
概して好きで、思い出深い曲です。


3.咬文嚼字 feat. AIきりたん(4月EP - 四字熟語コレクション)




当時話題になっていた(今も人気の)脅威のフリー歌ソフト、AIきりたんを利用した曲です。そして生まれて初めての歌モノです。
歌詞はほとんど意味がないので置いといて、曲自体について。

個人的にはすごく好きなトラックです。メロディやコードだけでなく、8bit音源・謎和風の生っぽい音・シンセをごっちゃにした雰囲気、サビのバッキングもみんな好き。
リファレンス、とまでは行きませんが、ごろんださんの「いわしがつちからはえてくるんだ」の雰囲気を少し意識してます。

ちなみにこの曲のコード、私が書いてきた曲の中で一番凝ってます。当時youtubeでそういう系の動画漁ってたんで、そのテクニックをやたらと突っ込んだ感じですね。
これは自曲語り記事なので恥ずかしげもなくセルフ開示。

=====
(Key=Cmajor)
Aメロ
Am7→Em7→FM7→CM7→Am7→Em7→D♯dim7→Em7→
Am7→Em7→FM7→CM7→Am7→Em7→C♯→Caug→
Am7→Em7→FM7→CM7→Am7→Em7→D♯dim7→Em7→
Am7→Em7→FM7→CM7→Am7→Em7→C♯→Edim7
Bメロ
Faug→Eaug→D♯aug→Daug
サビ
Am7→FM7→Dm/G→C♯→C→G/B→Am→G→Dm7→Dsus2/E→E7→
Am7→FM7→Dm/G→C♯→C→G/B→Am→G→Dm7→G7→CM7
=====

augやらdimやらを使いまくってます。なんか意外と良い響きになるんですねコレ。
変なコードを繋いで気持ちい並びを探しているとき、はじめて「コード組み立てが楽しい」と感じました。これが感覚的にできたらどれだけ楽しいだろうか……
ちなみにこれで満足してこれ以降ろくにaugやらdimやら使わなくなってしまいました。うーんこの
どっかで自分の中に落とし込みたい所存

歌詞等について。

テーマが「四字熟語」ということで、歌詞の9割を四字熟語で埋め尽くす奇行に出てしまいました。うちにある漢検四字熟語辞典を使ったりインターネットから探したり、とにかく歌詞を考える作業が大変でした。今見直すとちょっと恥ずかしい。

歌詞の意味はほとんどありません。強いて言うなら、サビの歌詞(の一部)は「ニワカで語ったり学をひけらかしちゃう!」って感じになっていて、タイトルの「咬文嚼字」も「学識を自慢するだけで、実際には役に立つことがない知識人を揶揄する」言葉です。
つまり、聞いたこともないむつかしい四字熟語を垂れ流してるこの曲自体への自虐みたいな感じです。知るか、という反応ごもっともです。反省してます。

あときつかったのがきりたんの調声。まずきりたんに歌わすためにはMusescoreっていう楽譜編集ソフトが要るんですが、こいつがまーーー使い辛い。とにかく扱い辛い。
そしてきりたん、息継ぎを入れないと息が切れて声が死ぬ。リアルすぎる。
さらには「えんえん」を「えんねん」と読んだりといった誤読が多発。ブレス記号やらを駆使してMusescoreに打ち込み→エクスポーズして聞いて確認→だめならリトライのトライアンドエラーがガチ苦行。
あれから一度もきりたんを使っていません。

4.Superluminal(楽曲公募)





CHUNITHMの楽曲公募に参加する曲…のつもりが、ADHD特有の後回し→ギリギリ仕上げ→想定外のエラー(エンコミス)によりなんと〆切を2分だけオーバー
結局公募に参加できていない忌み子です。悲しい

曲としては、音ゲー用・かつ宇宙に関連したキャラをイメージしてピアノをメインに
こいついっつもピアノ使ってんな
ドロップの後の発狂地帯が、ピロピロ言わせつつもエモい感じになっててかなりお気に入りです。

ただ、Aメロがさっぱり思いつかなくて超微妙になってるのと、ピアノ他にリバーブかけ忘れっていう致命的なミスが後から分かった(先輩に指摘されて気付いた)ので、まあ間に合ってても確実にダメでした。
良い経験にはなりました。


5.窓と霖(6月EP - 引きこもれ!つくばの森)




「まどとながあめ」と読みます。
EPタイトルがそのままテーマだった6月EP。どう森はさっぱりやってなかったので、外出自粛から「窓から雨を眺めている」イメージで書いた曲です。
これまでになくアコースティック。Neal KさんやBigRicePianoさんなどを少し意識して、ヒーリングというか静かなイメージの楽曲を目指しました。何度か言ってる気がしますが、こういうの好きなんです。
最終的にはのんびりしたパーカッションが入って最初のピアノ曲感は薄れましたが、梅雨の湿った感じは出たので結果オーライかなと。

ちなみにこの曲を聴いた友人には「エロゲのBGMっぽい」とのコメントをいただきました。本当か?

7.蒼穹(F[L/R]ESH)




新入生が曲を出す機会を作ろう、という目的で催された臨時EP・「F[L/R]ESH」に書いた曲です。

実はこれ、「出てる曲数があまりに少ない」というのを聞いて締め切り直前に書いた曲。
何とか曲は出したい、でも全然思いつかんし時間もない……という中、結局自分のスケッチ(メロディの草案みたいなの)の中から一つ選んでそれをサビに使い、残りは適当に間を埋めました(は?)
0:55~から急に強いメロディが入って盛り上がるのはそのため。言っちゃえばここしかメロディがないんです。

なので、正直完成度低いです。短いし。
本当は歌モノにしようと考えてたメロなので、いつか同じようなのを使って別の曲になるかもしれません。これはその前段階ということで……許してね

なお新入生向けのEPにもかかわらず新入生は一人も曲を出さなかった模様

8.wait for(Twin paradoX 6)

CD頒布のため現在音源無し公開されました



元は8月、合宿の中止に伴って行われた「仮面発表会Online」に合わせて書いた曲です。原題「wait to be fat」。太くなりてェ

所謂(?)「Melodic Dubstep」というものを作ってみた楽曲。つまるとこ、エモい感じのダブステ。
LOBOTIXさんの動画をリファレンスにしており、使ってるワブルベースもLOBTIXさんが配布してるパッチが元になってます。
似たような曲はあまり書いたことがないですが、しいて言えば去年のTX5に書いたABSOCUTEでしょうか?あっちはFuture Bassなんで流石に違うか。

また、仮面発表会の曲=自分らしくなく、他のメンバーらしい曲を書くのが目的になります。
なので今回はいっつも使ってるピアノを完全に排除。弦も排除。
ほぼすべての音を素材とSerumでカバーし、使ったこともないボーカルサンプル(from Splice)を使い、やったこともないジャンルの曲を書き全力で偽装しました。
結果は割といい感じだったと思います。自分の曲を先輩の曲だと勘違いした人が結構いて、めっちゃ嬉しかったですね~。

もちろん勝負事でいい結果が出たって意味でもあるんですが、「クォリティで作者を特定される程度のレベルは脱することができた」ってのが一番うれしい。そろそろ初心者を抜けても、いいですかね?

曲名はなんか使ったボーカルで「wait to %&*+@」みたいなことを言ってたので、ふざけて太くしたのが原題。収録にあたってそれっぽくしたのが改題です。

9.Divinity(12月EP - Gift)




「wait for」から3ヶ月以上経過し、その間一切DTMをしませんでした。カス!
そしてしばらくぶりに書いた曲がこれ。アコースティック深まりすぎてついにここまで来てしまいました。
エピックと言うか、劇伴というか、ガッツリオーケストラみ溢れる曲です。生楽器のみ!
これも結局見ている方向性的には6月の「窓と霖」と大して変わらないんですよね。泣ける感じ、イイ感じの、ピアノが入った曲。
泣けメロのピアノが好き、って点ではアートコア好きな所から実は離れてないんです。

ちょうどブラックフライデーのセールをやっていたので、UVIのオーケストラ音源と鍵盤音源を購入。そのデビュー作です。中々音が良くて満足。
弦の掛け合いは対位法意識でやってみましたがまだまだダメ。こういう曲をより良く多く書けるように練習していきたい所存。
もちろんこれまで通りEDM路線も続けますよ!別腹!


以上、2020年に書いた曲まとめでした。
いろいろスケッチこそすれど、完成にこぎつけたのはわずか9曲……。これでも去年よりは倍近くになってるんですけどねぇ
文も文字も書いていないし全体的に虚無で怠惰な一年でした。来年こそはもっといろいろ頑張ります……多分!
それでは。今日〆切のレポートを書きに行ってきます。